『日本で一番悪い奴ら』 - Fuwafuwa's memorandum

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『日本で一番悪い奴ら』

日本で一番悪い奴ら DVDスタンダード・エディション日本で一番悪い奴ら DVDスタンダード・エディション

ポニーキャニオン 2017-01-11
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悪を裁くのに最も効率的な方法は悪に取り入ることだ。『日本で一番悪い奴ら』では、柔道一筋で北海道一になった純朴な青年が北海道警察に就職し、Sと呼ばれるスパイを使って成果をあげるうちに自らが巨悪になる様を底抜けに明るい描写で撮った映画だ。おとり捜査やらせ捜査密輸入に麻薬の売買、警察という組織ぐるみで行われる悪は壮観だが、驚くべきことはこれらが実話にかなり忠実に撮影されていることだ。

警察という巨大な官僚制組織ではノルマを設けて末端の人間のモチベーションをあげるしかなく、極端なノルマ主義は癒着や賄賂、自作自演という不正の温床となる。警察においてはそれは犯罪であり、そのように考えると、悪を断つべき警察組織というものが、実はもっとも犯罪と近しい関係にあることがわかる。

諸星は強烈な縦社会である体育会で北海道一にまで登りつめた実直な青年である。上下関係に対するこうした従順さは、上下関係が変わるとき容易に反転する。諸星は悪意のない人間である。悪意のない人間だからこそ他人の悪意にも鈍感だし、自分の行いが善なのか悪なのかを判断することもできない。

諸星は徹頭徹尾、目の前の事象に対して、嬉しいや悲しいといった反応しかできない。チャカをあげて褒められて嬉しい。ヤクザと組んでススキノで持て囃されて嬉しい。相手が何故そういう行為をするのかということに対して想像力を巡らせることができない。だからヤクザにも警察組織にも簡単に利用されてしまうし、自分の行いに対して分別を持つことができない。これを純粋と呼ぶなら随分な語弊であると思う。自覚のない悪には際限がない。

本作では、ヤクザ相手に足ガクガクになりながらたん吐いて威嚇する綾野剛、シャブ漬けになった女をバシバシ叩きながらくんずほぐれつする綾野剛、シャブやってヨダレ垂らしながらガンギマリになる綾野剛、ヤクザにアイスピックで耳を抉られて命乞いする綾野剛等、他では観られない様々な姿の綾野剛が観られるので、綾野剛が好きな人は観ればよいのではないでしょうか(?)

↓気になったこと

■ハルシオン遊び
山辺は登場シーンで昼間から眠剤のハルシオンをバリバリ食べており、すでに依存症の状態にある。薬の運び屋をやっていたということなのでそうした経由で抗精神薬をプールしていたのかも知れない。これは強い多幸感の他健忘や認知の低下を引き起こすため、この時点で既に山辺には善悪を判断する正常な認知能力が失われていたことが示唆される。作中でも常にラリったような状態であり、自分がやっている悪事のこともすぐ忘れてしまっていたのかもしれない。

■インド人に間違われたくないパキスタン人
作中ラシードがインド人に間違われてキレるシーンがあるが、インドとパキスタンは第二次世界大戦後に幾度となく戦争しているほどの険悪さなので、この反応は当然かもしれない。特に近年パキスタンの原理主義者がインドを幾度となく砲撃しており、互いの核弾頭が互いの首都を常に狙っている状態である。

■北海道のカレー
作中で幾度となくカレーが登場するが、中東風の味付けで有名なスープカレーは北海道が発祥らしい。ロシア経由での中東の移民が多いんでしょうか。

■移民と中古車ビジネス
パキスタン人というと少し馴染みがないようだが、日本の中古車を海外に販売することで利益を上げているパキスタン人がかなり存在するらしい。ロシアでは日本産の車が人気であり、作中のラシードもロシア人と取引している。

■麻薬と歯茎
歯茎に麻薬をヌリヌリしてもラリれるらしい。そういえばなんでマリファナとかって鼻から摂取するんですかね。素人には口からの摂取の方が効率良さそうと思えるのですが。

■麻薬売買の利益
諸星のモデルとなった稲葉は麻薬売買の利益で4000万円の利益を得たらしですが、リスクとコストに対して随分低いなあ。実際その内訳がいくらなのかはよくわからないけど、世の中うまくできているもので、悪いことで儲けられないようになっている。

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