出会い系サービス、レコメンドエンジン、人生の真実について - Fuwafuwa's memorandum

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出会い系サービス、レコメンドエンジン、人生の真実について

facebookで執拗に出会い系サービスがサジェストされる。最近の傾向として「出会い」のコスパを極限まで下げ、マッチングから初デートの選定予約まで完了してくれるサービスが俄かに活気付いているようだ。しかし結婚というものが 物品ではなく殆どの場合死別するまで続行されることが期待される状態であることを考えると、明らかに本来指向されている価値とは逆行しておりこれはなかなか面白い。

Amazonに代表されるようなECサイトはより多くのユーザーにコンバージョンさせるためにクリック回数を極限まで減らし最短経路でユーザーが希望の商品に辿り着くよう導線を作ることに苦心してきた。その代表的な例が行動履歴からサジェストされる「こんな商品にも興味はありませんか?」に表示されるアイテムを高速で計算し続けるレコメンドエンジンであり、昨今台頭してきている高速計算技術の応用先としてそこそこの市場が存在している。

大規模データの高速計算から従来あり得なかった薄利多売を実現させ、その企業規模は市場に対して殆ど寡占の状態にある。2007年に法律家兼経済学者のエアーズが著した Super Crunchers は瞬く間にベストセラーになり日本でもただちに翻訳版が刊行されたが(この翻訳版では”絶対計算者達”とされている)、 Amazonの例はSuper Crunchersの徹底ぶりを見せつけるものである。そこではあらゆる現象が数値化されマシンはユーザーの先回りをしてユーザーが欲しいものを計算するのだ。そしてその破壊力が従来の小売に対して如何に圧倒的なものであったかは最早説明するまでもない。

さて冒頭の「コスパ」重視の出会い系サービスだが、これは前述の理屈をそのまま人間の出会いに移植したものである。率直に言ってこれらのサービスはユーザーにとって本来の目的に適うものではないと私は思っている。断っておくが私はロマンティストではない。それというのも、世の中には非効率な中に真実があるものがあって、恋愛や結婚はその最たるものであるからだ。

人と人との付き合いの価値が時間や労力や感情のコストを相手にかけることそのものであれば、「出会いを効率化してコスパよくする」という概念はそもそも矛盾している。コストをかけることそのものに喜びがないのならその後関係性を維持することは著しく困難だろう。まあ取り敢えず形式上結婚できればそれで良いというならうまくいくかも知れないがそこまで割り切れる人はそもそも出会い系サービスに登録しないだろう。

とは言えこの手のサービスは登録させ継続させることで一律の料金を得ることで利益をあげるらしいので、”そもそもコンバージョンしにくい層に訴求する”というのは中々理にかなっている。こうしたサービスでは女性無料として若くて見てくれのいい女性を掻き集め結婚適齢期の男性を呼び込むというのが常套手段らしいが、両者は基本的にマッチングしないため永遠に回遊する。コンバージョンしなければしないほどサービスとしては収益が出る、ということになる。

このような時どんな相手を「こんな人があなたと相性がいいかも?」にサジェストすべきなのかは明白だろう。ユーザーに絶えず「コンバージョンできるかも知れない」と希望を与え利用料を徴収し続けるのがサービスとしての最適解である。

エアーズの言うところの”絶対計算”が本領発揮するのは、むしろこの手のサービスが「登録料」ではなく「成婚料」で利益を上げることを目指すような場合だろう。大規模データから”相性がまあまあよい相手”を計算することはそんなには難しくはないはずだ。そのアルゴリズムは魔法ともロマンスともほど遠いが、「娘息子が適齢期になったらなんかよさそうな感じの相手を親が任意で割り当てていた時代」よりは遥かに(比較にならないほど)良心的なマッチングを行ってくれるだろう。

それを真実と見るか否かは心持ち次第なようでもある。

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