小山慶太『科学史年表』 - Fuwafuwa's memorandum

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小山慶太『科学史年表』

科学史年表 (中公新書)科学史年表 (中公新書)
小山 慶太

中央公論新社 2011-02-01
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いつどこで誰が何を言ったかというのは重要だと思っていてそれというのも何を言ったかというのはいつどこで誰がに強く依存するものだからだ。もう一歩踏み込むと科学の歴史について振り返る時天文学や物理学といった整然とした区分けすら恣意的なものであって、その恣意性は歴史を遡るほどに我々の科学についての理解を阻むものであるとすら考える。

従って我々が「そもそも私たちは何を科学と呼んでいたのかな」と自問する時そうした区分けは自覚的に取り除かれなければならず、時々歴史学や科学哲学の人なんかがそういう作業を喜んでやっているけれど、これは珍しく物理学の人の本。科学についての解釈については各章ごとの頭にほんの数枚ほど述べられているのみで、後はひたすらいつどこで誰が何を言ったかといった記述に終始しており好感度が高い。

惜しむらくは所謂理系学問の人が科学についての書く時にありがちではあるけど文系学問についての記載はほとんどなく、敢えて言えば17世紀ペティの政治算術の項において小さく触れられているのみである。とは言え17世紀から20世紀までの科学の歴史が分野関係なく年表にされている本というのもかなり珍しく、レイアウトも美しかったので満足度は高かった。

17世紀以前の知的営みを須らくオカルトと見なすような記述はいささか乱暴なキライがあるもののそれは見なかったことにして、なお一点気になるのはパスカルのパンセについて言及がないところか。確率というのは現代科学においてかなり重要な概念なのでその原典となるべき著作が話題にならないのは不自然にすら感じた。それくらいか。

例えば微積分学はニュートンとライプニッツのどちらが先に発表したのかを年表形式で確認できる、そういうことに喜びを感じられる人向けの本ですこれは。

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