安達正勝『物語フランス革命: バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで』 - Fuwafuwa's memorandum

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安達正勝『物語フランス革命: バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで』

物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)物語 フランス革命―バスチーユ陥落からナポレオン戴冠まで (中公新書)
安達 正勝

中央公論新社 2008-09-01
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雑な推定を断定口調で書きすぎなので読んでいて段々といたたまれない気持ちになってくる。

恐らく著者は元々歴史というよりはフランスの煌びやかな貴族社会への関心が強いのだろう(著者は歴史家を名乗るが専門はフランス文学であり博士中退である)。当時の宗教や思想的背景にはまったくといっていいほど触れられないので読者は結局フランス革命の肝要が分からず置いてけぼりである。主観に基づく記述が幾度となく繰り返される割に、首飾り事件や九月虐殺のような歴史的事件についての説明が一切ない点もいささか許容しかねる。

とは言え読みやすいと言えば読みやすいし、フランス革命に関係する人物を著者なりに選定して紹介するという書き方は珍しくて面白かった。多大なる流血が求められたフランス革命をここまで大手広げて肯定している本というのも、良くも悪くも珍しい。ナポレオン戴冠までをフランス革命とした点も非常にユニークで私は面白いと思った。

また、フランス革命自体がそのことの趨勢も解釈も極めて難しいため、これを一冊の新書に書ききったという点で高く評価されるべきだと思う(まあ物語シリーズだし…)。個人的には著者の感想は正直どうでもいいので客観的な視点から書かれた事実列挙的な本が読みたい。

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